
よくある質問
よくある質問 - アメリカ在住,日本帰国希望者,国際税務,税金対策
このよくある質問ページは、現在米国にお住まいで、日本への帰国を検討されているご夫婦(夫:米国籍、妻:日本国籍・米国永住権保有)を想定し、当事務所によく寄せられるご質問にお答えする形で作成しております。
内容は2025年7月時点の税制に基づいており、ご理解いただきやすいよう、一部の検討過程を簡略化して記載している場合がございます。また、実際の課税関係は具体的な状況によって異なる場合がありますので、本記載内容に基づいてご判断される前に、弊所までご相談ください。お問い合せはこちらから
当事務所について
- Q.米国でのTax Returnにも対応していますか?
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当事務所では直接対応しておりませんが、信頼できる現地の専門家をご紹介いたします。
米国Tax Returnでの外国税額控除の適用に必要な日本側の情報提供や連携支援は、当事務所にて対応可能です。すでにお客様が米国会計事務所にご依頼されている場合は、そちらと連携して対応することも可能です。 - Q.相続や法人に関する相談も可能ですか?
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はい、相続税対策や、日本での法人設立・運営に関するご相談も承っております。
また、お客様のご状況に応じて、日米の税務・法務に精通した専門家と連携し、最適なサポートをご提供いたします。 - Q.英語での相談は可能ですか?
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はい、英語でのご相談も承っておりますので、米国籍の配偶者の方も、安心してご相談いただけます。
なお、正確にお客様の状況やご質問を把握するため、事前に簡単なメモをご用意いただけますと幸いです。
日本帰国前
- Q.日本帰国前に最初に取り掛かるべきことは何ですか?
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まずは、できるだけ早い段階で専門家にご相談ください。
米国税理士・米国弁護士・日本の税理士など、それぞれの立場からのアドバイスが重要となります。帰国に向けて必要な手続きを整理し、To-Doリストを作成して計画的に進めることが、スムーズな帰国の第一歩となります。 - Q.日本の税金の観点から、日本帰国前にやっておくべきことは何ですか?
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代表的なものとして、以下のような対策が考えられます:
・米国のご自宅を帰国前に売却する
・日本への送金について、課税リスクと節税効果の両面を考慮し、計画的に実行する
・米国の生涯非課税枠(Unified Credit)を活用した生前贈与を検討・実行する
・Roth IRAの解約タイミングを検討するただし、これらはお客様の財産構成やご家族の状況によって適切な対応が異なります。個別にご相談いただくことで、最適な対策をご提案いたします。
- Q.住民票を日本に置いたまま米国に滞在していた場合、日本の税務上の居住者とみなされますか?
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日本の税務上の居住者かどうか?は、住民票の有無だけでなく、滞在日数、職業、主たる住居、家族の所在、資産の所在地など、さまざまな要素を総合的に考慮して判断することになります。したがって、住民票が日本に残っていたとしても、生活の本拠が米国にあると認められる場合は、日本の税務上は「非居住者」と判断される可能性があります。
- Q.両親の介護のために日本に長期滞在する予定です。この場合、日本の税務上の居住者とみなされますか?
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日本での滞在期間や滞在場所、米国での生活拠点の維持状況などによって、税務上の居住者に該当するかどうかは判断が異なります。一般に、滞在期間が長期に及ぶ場合は、日本の税務上の「居住者」と判断される可能性が高くなりますので、ご注意ください。
- Q.日本の税法上の「10年ルール」とは何ですか?
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「10年ルール」とは、過去10年以内に日本に住所を有していた期間があった場合、たとえ現在は米国に居住していても、日本の贈与税・相続税の課税対象となる可能性があるという制度です。
なお、このルールの適用は贈与・相続の当事者双方の国籍や居住状況によっても異なりますので、詳しくは個別にご相談ください。
- Q.米国自宅を日本帰国前に売却が望ましいことは理解しましたが、不動産市況によっては、売却が日本帰国後になる可能性があります。その場合の注意点は?
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まず、不動産の売却日については「契約日」ではなく「引渡日(実際の所有権移転日)」が基準となる点をご理解ください。
帰国後に米国の自宅を売却した場合、少なくとも奥様(日本国籍・米国永住権保有)は日本で確定申告が必要です。ご主人(米国籍)は、売却年と同じ年に日本への送金がある場合、確定申告が必要となります。
また、売却益に対して、確定申告で3,000万円の特別控除を適用するためには、売却した米国不動産が実際に居住していた自宅であったことを証明する必要があります。そのため、現地の公共料金の領収書や、公的機関からの郵便物など、居住の実態を示す証拠書類を帰国前に準備・保管しておくことをおすすめします。
- Q.今後、米国市民権を取得するか、永住権を維持するかで、帰国後の日本の税法上の扱いは変わりますか?なお、永住権を維持する場合は、日本帰国後に放棄する予定です。
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相続税・贈与税については、米国市民権を取得した場合でも、日本の税法上の取扱いに大きな違いはありません。 通常、米国市民権を取得して日本国籍を離脱された方が日本に居住される場合、元日本人として「日本人の配偶者等」の在留資格を取得されることが多く、こうした身分系の在留資格を持つ方は、相続税・贈与税上、日本国籍者と同様の扱いとなります。したがって、日本国籍・米国永住権有の場合と同等の課税関係になります。
一方で、所得税の取扱いには違いがあります。
米国市民権を取得した場合は、日本に居住を開始してから5年間は「非永住者」として扱われ、国外所得は原則として日本へ送金された場合にのみ課税される「送金課税」の対象となります。
これに対して、米国永住権を維持したまま日本に居住した場合は、日本居住者となった日から「永住者」として送金の有無に関わらず全世界所得が課税対象となります。なお、米国永住権を放棄する場合には、米国の出国税(exit tax)の対象となる可能性があるため、米国側での対応要否について事前に確認・検討が必要です。
- Q.日米の重国籍者は、日本の税法上、どのように取り扱われますか?
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生まれつき日本国籍と米国籍の両方を有する、いわゆる「重国籍者」は、日本の税法上は日本国籍者として取り扱われます。相続税や贈与税の課税関係も、日本国籍者と同様に判定されます。
なお、成人後に自己の意思で米国籍を選択し、日本国籍を喪失した場合、たとえ日本で国籍喪失の手続きを行っていなくても、日本国籍は自動的に喪失したものとみなされます。この場合、日本の税法上も「日本国籍を有しない者(米国籍者)」として扱われることになりますのでご注意ください。
日本への送金
- Q.米国から日本への送金に税金はかかりますか?
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送金はあくまで資金移動に過ぎないため、原則として課税されません。
ただし、夫婦間で資金の持分と送金先の口座名義が一致しない場合(例えば、夫婦で50%ずつ保有している資金をすべて妻の口座に送金するなど)は、贈与と認定されて贈与税がかかる可能性があるので注意が必要です。 - Q.夫婦共同名義口座の「持分」はどのように考えればよいですか?
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日本の税法において「持分」は、口座名義よりも実際に誰が資金を出したか(拠出割合)で判断されます。
そのため、共同名義であっても、お金を出した割合に応じてそれぞれの持分が決まります。カリフォルニア州(CA)、ワシントン州(WA)、ニューヨーク州(NY)などの「コミュニティ・プロパティ州」に居住されている場合は、別途の検討が必要になるので、個別に専門家へ相談されることをおすすめします。 - Q.夫が外国籍で日本の口座を開設できず、夫の資金を送金できません。どうすればよいでしょうか?
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一時的に奥様名義の口座に送金し、ご主人が日本で口座を開設された後(通常半年程度かかることが多いです)に、その口座へ資金を移す方法が考えられます。一連の資金の流れを明確に示すことができれば、贈与税のリスクを回避できます。
- Q.帰国後、米国居住中に得た米国口座にあるドルを円転して日本に送金した場合、為替差益は課税されますか?
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この点については、税理士と税務署の間で見解が分かれています。税務署は為替差益を認識すべきとの立場ですので、これを前提として送金計画を立てるのがよいでしょう。
米国自宅売却など送金資金の出所が明確な場合は、売却日と円転日の差分で為替差益を計算します。問題となるのは、米国での給与などを原資とする預貯金です。米ドルの取得時期を正確に把握することが難しいため、実務上、為替差益の計算ができないケースがあります。
対策としては、米国居住中に円転しておくか、円転せずに米ドルで送金することが選択肢になります。
- Q.夫は米国籍なので日本帰国後5年間は、所得税上「非永住者」として扱われるとのことですが、この期間の送金課税について教えてください。
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ご主人が日本居住者となってから5年間は「非永住者」として扱われます。この期間は、国内源泉所得と国外源泉所得のうち日本に送金したものが、日本で申告納税の対象となります。そのため、もし可能であれば、非永住者期間中の生活費は奥様の資金で賄うのが望ましいでしょう。
なお、「送金」には、銀行間送金だけでなく、Wiseなどの送金サービス、日本でのカード決済による米国口座からの引き落としも含まれるため注意が必要です。
また、非上場有価証券の相対取引の売却益や、非永住者期間中に取得した上場有価証券の売却益は、国内源泉所得として日本の申告対象となる点にもご注意ください。
- Q.日本への送金後、税務署から「国外送金等のお尋ね」が届きました。どうすればいいですか?
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まずお尋ねが届く流れをご説明します。
米国から日本へ1回100万円を超える送金をした場合、受取銀行はこの送金情報を、着金日の翌月10日までに税務署に報告することが義務付けられています。税務署はこの報告をもとに、申告漏れや贈与の可能性があり追加の確認が必要と判断した場合、対象者に「国外送金等のお尋ね」という文書を送付します。実際にお尋ねが届くのは、送金からおよそ1年後になることが一般的です。このお尋ねを受け取った場合は、国外所得の申告漏れの有無や贈与に該当するかを確認して、指定の期限までに回答することになります。
お尋ねは、任意の情報提供を求める行政指導であり、税務調査ではありません。そのため、無回答であっても直接的なペナルティはありません。ただし、放置したままにすると、税務調査に発展する可能性がありますので、お尋ねが届いた場合は、無視せず、速やかに専門家(税理士)に相談し、適切な対応をすることをおすすめします。
日本帰国後
- Q.日米双方の確定申告の流れと外国税額控除の適用について教えてください。
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米国籍または米国永住権を保有して日本に居住される場合、原則として、日米両国で確定申告が必要です。
日本の所得税の申告期限は毎年3月15日です。一方、米国の申告期限は、米国非居住者(米国外に居住する米国市民・永住権保持者、および非居住外国人)に適用される自動2ヶ月延長により、毎年6月15日となります。 そのため、通常は、日本の確定申告を先に行い、その内容に基づいて米国の確定申告を行う流れになります。外国税額控除は、基本的に、米国申告にて適用します。これは、日本で納付した税額を、米国で算出された税額から差し引くことで、日米の二重課税を排除する制度です。外国税額控除の適用後、差分があればその分を米国で納付いただくことになります。
- Q.IRAや401(k)の引出は、日本ではどのように課税されますか?
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IRAや401(k)の引出に対する日本の課税については、日本の税法に明確な規定がありません。実務上は、不適格退職年金に準ずるものと解して、引出額のうち運用益に相当する部分を課税対象として申告処理を行うことが一般的です。
具体的な課税区分は、引出方法によって異なります。
・年金として継続的に引き出す場合:雑所得(その他)として申告
・一時金として一括で引き出す場合:一時所得として申告一時所得は「(総収入金額-支出した金額-特別控除額50万円)×1/2」で計算されます。
この計算式により所得が1/2になるため、税金上は一括で引き出す方が有利になるケースが多いです。ここで、課税対象となる運用益の特定が重要な課題となります。
米国では引出額をベースに課税が行われますので、引出時のStatementには通常、過去の拠出額の記載がありません。したがって、ご自身で過去の拠出記録を探して、元本となる拠出額を計算いただく必要があります。 また、401(k)の場合は、雇用主によるマッチング部分も元本に含まれると解されていますので、ご自身の拠出額とあわせて確認いただくのがよろしいかと思います。 - Q.IRAや401(k)はいつ引き出すのがよいですか?
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日米租税条約では、IRAや401(k)は退職年金として、引き出し時の居住国でのみ課税されると定められています。したがって、通常であれば、日本でのみ課税が完結します。
しかし、米国籍や米国永住権を保有して日本に居住されている場合は、 日米租税条約のセービング条項が適用されます。これは、米国が、自国の居住者や市民に対しては、租税条約の規定を適用せず、米国税法に基づいて課税する権利を持ち続ける、というものです。そのため、米国でも引き続き申告が必要となります。
別の回答で説明したとおり、日本での課税対象は引き出し額のうち運用益に相当する部分と解釈されています。このため、日本側でのみ課税が完結する方が税制上有利です。
したがって、米国永住権をお持ちの方は、永住権放棄後に引き出すことをおすすめします。
ただし、米国税制における「Covered Expatriate」に該当する場合は、IRAが永住権放棄時に一括課税されますので、米国の税制も考慮した別途の検討が必要です。この点、ご注意ください。米国籍の方は、日米双方で申告が必要となり、日本で納付した税額を米国の税金から控除することになります。そのため、米国での適用税率を考慮して、計画的に引き出すのがよいでしょう。
- Q.Social Securityの受取は、日本ではどのように課税されますか?
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日本に居住されている方がSocial Securityを受け取る場合、受取額を「雑所得(公的年金等)」として確定申告する必要があります。
なお、Social Securityは国外源泉所得に該当するため、米国籍の方は送金課税の対象となり、送金額に対して課税がなされることになります。 - Q.米国政府や州での勤務に基づく退職年金を受け取る場合、日本での課税はどうなりますか?
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日米租税条約の規定により、これらは米国でのみ課税され、日本では課税されません。そのため、米国籍の方が該当する退職年金を日本へ送金しても確定申告の対象とする必要はありません。
- Q.米国の投資口座を日本の居住者として保有し続ける場合の注意点はありますか?
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米国の投資口座から発生した所得(利子・配当・キャピタルゲイン)は、原則として日本で確定申告が必要です。
特にキャピタルゲインについては、取得日から売却日までの為替変動を考慮して計算する必要があるため、取得時の情報(取得日・取得数量・取得価額など)を保存しておくことが重要です。 - Q.米国の生命保険やDeferred Annuityの満期受取金は、日本ではどのように課税されますか?
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米国の民間保険(生命保険やDeferred Annuityなど)の満期受取金は、日本の税法上、原則として「一時所得」として課税されます。
- Q.米国LLCとLPS/LLPでは、日本での税務上の取り扱いが異なりますか?
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はい、異なります。
LLC(Limited Liability Company)は、米国でパススルー課税を選択していても、日本の税法上は原則として「外国法人」として取り扱われます。
日本に居住する方が一人LLCの構成員として事業を行っている場合は、その方はLLCの日本におけるPE(恒久的施設)とみなされる可能性が高いため、法人税の申告または個人事業の事業所得として確定申告を行う必要があります。一方、LPS(Limited Partnership)やLLP(Limited Liability Partnership)は、日本の税法上は原則として「法人格を有しない組合」として取り扱われます。そのため、投資から分配を受け取った場合は、米国で発行されるSchedule-K-1に基づいて、米国での発生所得を日本の所得区分に振り分けたうえで、確定申告を行う必要があります。
- Q.将来の日本での相続などを考えたときに、資産をこのまま米国で保有し続けるのと、日本に移すのでは、どちらが望ましいでしょうか?
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それぞれにメリット・デメリットがあります。
〈米国で資産を保有し続けるメリット〉
・日米での資産分散によるリスクヘッジが可能です。
・米国金融機関には魅力的な投資機会が多く、パフォーマンスも高い傾向があります。〈デメリット〉
・現地金融機関とのやり取りなど、資産管理に手間がかかります。
・日本での確定申告に際し、専門家による対応が必要となるケースが多く、費用も発生します。
・相続発生時にすぐに換金・移動できない可能性があり、流動性の確保に課題が残ります。
・ご家族が海外の金融資産を引き継ぐ際、英語や国際的な手続きへの対応が負担になることがあります。こうした点を考慮し、弊所のクライアントの多くは、段階的に資産を日本へ移す方針で計画される傾向にあります。ただし、資産の規模や運用方針、ご家族の状況によって適切な方針は異なりますので、ご不安な点がある方は個別にご相談ください。
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